

◆ はじめに・・
高い人気を誇る「ビタミンC」のサプリメント。健康食品の人気ランキングでも、常に上位をキープしています。また健康食品素材の
売上高調査*1 でも、「カルシウム」や「ビタミンE」、「マルチビタミン」を抑えて1位を獲得。根強い人気です。
シミ・シワなどが気になる、風邪予防など、いろいろな効果を期待して飲んでいる方が多いと思いますが、実際のところどんな働きが
あるのでしょうか・・・?
ビタミンCの特徴や、摂取の際の注意点などを、わかりやすくまとめました。
*1 健康志向食品市場動向2005年版 山の下出版より

◆ ビタミンCの特徴
ビタミンCは水溶性のビタミンで、ヒトは体内で作り出すことができないため、食事等から摂取する必要があります。1日の必要量は
100mgですが、不足した状態が長く続くと、出血性の障害を伴う壊血病を発症します。
ビタミンCは、肌や筋肉、血管、骨、軟骨などを作るコラーゲンの生成に欠かせない成分で、健康な体の維持には不可欠です。
(コラーゲンのサプリメントを摂っている方は、合成を促すため、ビタミンCを同時に摂ると効率的です。)
また、ビタミンCには鉄分の吸収を促進する働きがあるため、鉄欠乏性貧血のある方は、積極的に補給したいビタミンです。さらに、
免疫力を高める働きもあるといわれています。(風邪の際にしばしばビタミンCが用いられるのは、このためです。)
ビタミンCは水溶性で熱にも弱いため、食品では調理の際にかなりの量が分解されてしまいます。たとえばじゃがいもは、皮をむいて
ゆでた場合、30~50%分解されてしまいます。短時間での調理を心がけるようにしましょう。
また、ビタミンCはストレスや喫煙で消費されるため、忙しい方や愛煙家では必要量が増えるとされています。食品から摂りきれない
場合は、サプリメントの利用も検討しましょう。
サプリメントは、1度に大量にとるのではなく、1日数回に分けて補給すると体内で長時間働くため効率的です。また、他の抗酸化物質
(ビタミンE、βカロテンなど)、ビタミンB群などと同時に摂取することで、相乗効果を発揮します。
ビタミンCは、よく化粧品にも配合されています。皮膚を紫外線から守る働きがあるため、シミ・シワが気になる女性に人気です。
ただし、ビタミンCは通常浸透率が悪く、角質層までしか到達しません。「ビタミンC誘導体」など、浸透率がよく、また肌に合うものを
選ぶことがポイントです。
「高濃度のビタミンC」を謳った商品もありますが、ビタミンCは刺激が強いため、肌の弱い方は注意が必要です。ピリピリ感を感じる
ときは、使用を中止しましょう。

◆ 最近の研究より
ビタミンCは強い抗酸化作用を持つため、ガン予防に効果があるといわれています。
しかし、「効果がある」とする研究と、「効果はない」とする研究の両方が存在しているため、はっきりとした結論は得られていません。
また、ビタミンCを野菜や果物から摂取した場合にはガンの予防効果が認められたものの、サプリメントで摂取した場合は、効果が
みられなかった・・という研究結果もあります。
やみくもにサプリメントに頼るのではなく、基本は食事から摂るようにし、サプリメントは補助的に利用するのがよいでしょう。

◆ ビタミンCを多く含む食べ物
食品100gあたりの含有量(単位:mg)
赤ピーマン |
170 |
ゴーヤ |
76 |
パパイヤ |
50 |
黄ピーマン |
150 |
柿 |
70 |
カイワレ大根 |
47 |
ゆず(果皮) |
150 |
キウイフルーツ |
69 |
かぶ(葉) |
47 |
アセロラジュース |
120 |
モロヘイヤ |
65 |
グレープフルーツ |
36 |
芽キャベツ |
110 |
いちご |
62 |
じゃがいも |
35 |
レモン |
100 |
ししとう |
57 |
温州みかん |
35 |
ケール |
81 |
水菜(生) |
55 |
かぼちゃ |
32 |
からし菜漬け |
80 |
ブロッコリー |
54 |
ミニトマト |
32 |
ピーマン |
76 |
カリフラワー |
53 |
さつまいも |
29 |
* 五訂食品成分表より
よく「レモン●個分のビタミン C」などと表されるため、「レモンにはビタミンCが多い」と思いがちですが、レモン1個のビタミンCは、
約20mg。1回に摂る量や食べやすさを考えると、断然、ピーマンやゴーヤ、ブロッコリー、芋類、いちご、みかんなどの方が、よい
補給源です。
また、ビタミンCの1日の摂取基準は「100mg」となっていますが、健康の維持増進を考えると1000mg以上摂取したいとも言われて
います。上記の「野菜」や「果物」を中心に、しっかり毎日の食事で補給できるように意識することが大切です。
食品から摂りきれない場合は、上手にサプリメントを取り入れましょう。
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