日常生活におけるキーワードは、@食事療法、A運動療法、B自己血糖測定(SMBG)、C低血糖の管理、Dシックデイ、Eフットケア(足のお手入れ)の6つです。



 食生活の改善は、薬の服用の有無にかかわらず、血糖コントロールや動脈硬化等の合併症予防のためには不可欠です。
 性別、年齢、標準体重、運動量等、個々のライフスタイルを考慮して1日の摂取カロリー量を決定し、栄養素のバランスを整えます。
 *当クリニックでは、常勤の管理栄養士がわかりやすい資料や食品交換表、カーボカウントなどを用いて、各患者様に合わせたきめ細やかな食生活の改善支援を行っています。健康食品についても、お気軽にご相談いただけます。(管理栄養士のページはこちらをご覧ください。




 血糖コントロールのためには、適度な有酸素運動(ウォーキング、ジョギング、水泳など)が欠かせません。特に、食後30分程度後にウォーキングを行うと、食事中のブドウ糖を運動のエネルギーとして使用するため、食後高血糖の抑制に役立ちます。また定期的に運動を行うことで、インスリン感受性の改善も期待できます。目安としては、30−40分の運動を週3−4日以上行うようにしましょう。歩数は、1日1万歩が目標です。
 ただし、すでに合併症の進行している方や高血糖の状態では、運動が悪影響となる場合もあります。その場合、詳しくは医師にご相談ください。




 自宅で小型血糖測定器を用いて、自分自身で血糖測定を行うことです。自己測定を行うことで、日常生活での血糖値の変化を知ることができます。患者さん自身が測定した血糖値は、食事、運動、薬物療法について検討し良好なコントロールを継続するために、たいへん参考になります。 また、血糖値が急に変化した時でも、自己測定することにより、正しい処置を早く受けることができます
 なお、インスリン注射をしている方は、血糖自己測定に健康保険が適用となります。


 *当クリニックでは、初めての方でも自宅で血糖測定が行えるよう、パンフレットを用いて分かりやすくご説明させていただいております。
 また、すでに自己血糖測定を行っている方も、気になることがございましたら、お気軽に看護師にご相談ください。




 低血糖とは、血液中のブドウ糖の量(血糖)が異常に下がった状態のことで、服薬治療、インスリン療法を行っている場合には十分な注意が必要です。血糖値70mg/mlほどで著しい空腹感あくび吐き気などが出始め、50mg/dlほどになると、眼のかすみ無気力疲労感発汗(冷汗)、動悸手足の震え呂律が回らない等の症状が現れます。ひどい場合にはけいれん昏睡に至る場合もあります。常にブドウ糖や砂糖(ペットシュガーなど)を携帯し、上記のような低血糖症状に気付いた時は、直ちに摂取してください。
 *αグルコシダーゼ阻害剤(ベイスン錠、グルコバイ錠、セイブル錠等)を飲んでいる方は、砂糖では回復が遅れるため、必ずブドウ糖を摂るようにしてください。

 ● 特に、以下のような食事、運動、薬のバランスがくずれたときに低血糖が起こりやすくなります。十分に注意しましょう。
    ・食事の時間が遅れる、また食事を抜くなど食事量が極端に減る
    ・空腹時の運動、また空腹時以外でも激しい運動をする
    ・インスリンや血糖降下薬の種類や量を間違える




 感染症(風邪など)等で発熱、下痢、嘔吐があるときや、食欲不振で食事ができない日のことをシックデイといいます。普段の血糖コントロールが良好であっても、急に高血糖が起こったり、ケトアシドーシス昏睡(高血糖によるケトン体の増加で、血液の酸性化が進んで起こる昏睡のこと)に陥ったりすることがあり、糖尿病患者さんは特に注意が必要となります。

 ● シックデイのときは・・・
    ・主治医に連絡をして、指示を受けて下さい。
    ・インスリンや経口血糖降下薬で治療中の方は、食事がとれない場合でも、自己判断で中断しないようにしてください。
    ・血糖自己測定をしている方は、3−4時間に1回のペースで血糖測定をして、血糖値の変化に注意をしていく事が必要です。
    ・十分な量の水分(目安として1日1.5〜2L)をとり、消化がよく口当たりのいいものを食べるようにし、絶食をできる限り避けるようにします。




 高血糖の状態が長く続くと神経が傷つくため感覚が鈍くなり、小さなケガや靴ずれに気付かない場合があります。また血液の流れが悪くなり、免疫力も低下するため、細菌に感染しやすく傷の治りも遅くなります。このようなことから、糖尿病患者さんが足の怪我などをそのままにしておくと、ひどい場合には壊疽(黒く変色し、悪臭をおびること)を起こし、足が腐ってしまうため切断せざるを得ない場合があります。日々、足を注意深く観察して、手入れをしていきましょう。
 *当院では、看護師によるフットケア指導を行っております。ご希望の方は、お気軽にお申し出ください。 (フットケア指導のご案内はこちら

 フットケアのポイント
    ・毎日足をよく観察する習慣をつけましょう(やけどや怪我、ウオノメ、タコはないか)。
    ・お風呂で足を清潔に保ちます(指の間もよく洗ってください)。お湯の熱さを感じにくくなっていることがあるので、やけどにも注意します。
    ・入浴後はよく水分を拭き取り、乾燥を防ぐため、保湿クリームなどを塗りましょう。
    ・爪は両角を落とさず、まっすぐに切り(けずり)、深爪をしないように注意します。
    ・傷や腫れもの、タコ、ウオノメ、水虫などは早めに皮膚科を受診して治療を受けましょう。
    ・裸足は避け、足に合った靴や靴下を使用しましょう。
    ・電気カーペット、ホームこたつ、使い捨てカイロなどの長時間使用は避けましょう。
    ・タバコは血液の循環を悪くするので、禁煙を心がけるようにしましょう。


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