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コレステロールと中性脂肪にどう向き合うか?
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  はじめに・・・ 脂質異常症とは?

     LDL コレステロール   
 正常値:140 mg/dl 未満

 「悪玉」コレステロールと呼ばれるLDLコレステロールは、身体中にコレステロールを運ぶ役割を担っています。
 コレステロールは細胞の膜を作るなど生体には欠かせない成分ですが、血液中に増えすぎてしまうと、動脈硬化を進展
 させて冠動脈疾患(狭心症や心筋梗塞など)や脳梗塞を引き起こすことがわかっています。(図1)
コレステロールと動脈硬化 
(図1)LDLコレステロール値が高くなるほど、冠動脈疾患のリスクが上昇します。

脳卒中、冠動脈疾患のない4069歳の男女8131名を対象 
Imano H et al.Prev Med 2011;52,381より
 こういった疾患を未然に回避するためには、定期的に血液検査を受け、コレステロール値をチェックすることが大切です。
 ▣ コントロールの基準については>>こちらをご覧ください

 基準値より高い場合は、まずは生活習慣の改善(特に食事内容の見直し)を行います。
 ▣ 生活習慣改善のポイントについては>>こちらをご覧ください

 それでも高い値が続く場合は、薬剤による治療を検討します。最近は、スタチン等の非常に有用な薬剤が多数販売
 されており、比較的容易にコレステロールのコントロールができる時代になっています。
 ▣ 治療薬については>>こちらをご覧ください

 一方、家族性高コレステロール血症などでLDLコレステロールの異常高値(≧200mg/dl~程度)を認める場合は、
 いたずらに非薬剤療法を続けるのではなく、速やかに薬剤治療を開始する必要があります。

 
 LDLコレステロールの値は、基本的には体質(遺伝)や生活習慣、年齢などに左右されますが、甲状腺機能異常症
 などの疾患を背景に、二次的に発生する場合があるため注意が必要です。 



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 真の悪玉!酸化LDL
 
 LDLが体内で酸化ストレスを受けて変性すると「酸化LDL」となりますが、この酸化LDLが動脈硬化
 を引き起こす、「真の悪玉」として、注目を集めています。
 

 ・・・ メカニズム ・・・

 血中にLDLが増えすぎるなどして血管内皮に傷がつくと、そこからLDLが血管内に入り込み、酸化ストレスを受ける
 ことで「酸化LDL」に変性します。
 通常のLDLは、ある程度血管内に取り込まれるとLDL受容体に結合して処理されますが、変性した酸化LDLLDL
 
受容体に認識されずに血管内に蓄積し続け、異物としてマクロファージに取り込まれます。
 酸化LDLを取りこんだマクロファージは泡沫化して血管壁内に集まり、プラークが形成されることで動脈硬化が進展
 します。さらに、プラークが大きくなり破裂すると、そこに血小板が集まって血栓が形成され、心筋梗塞や脳梗塞が
 引き起こされます。

 つまり・・・動脈硬化や冠動脈疾患、脳梗塞等の予防のためには、LDL全般を下げるとともに、特に酸化LDLを増やさ
 ないこと、さらにできてしまったプラークが破裂しないように安定させる(プラーク安定化)ことが重要なのです。
 
 一部の脂質異常症の治療薬(スタチン等)には、抗酸化作用やプラーク安定化作用をもつものがあります。
 ▣ 脂質異常症の治療薬について>>詳しくはこちらをご覧ください




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 LDLコレステロールは、あまり下げない方がいいって本当?



 LDLコレステロールはあまり下げない方がよい・・・そんな話を耳にしたことがあるでしょうか?一部のメディアで
 時折そのような情報が取り上げられることがありますが、これまでに信頼できる研究結果で「下げない方がよい」と
 いう内容の結論を導き出したものはありません。

 信頼性の高い前向き研究では、そのすべてがLDLをしっかりと下げることで、冠動脈疾患のリスクが低下すると結論
 づけています。議論の多い脳卒中との関連についても、LDLを基準値未満に積極的に低下させることで、脳卒中の
 リスクが減少するという結果が大規模なメタ解析*で示されています。

 *Cholesterol Treatment Trialists’CTT)Collaboration; Lancet,2010;376(9753);1670-1681





     HDL コレステロール
 正常値:40 mg/dl 以上

 HDLコレステロールは「善玉」コレステロールとも呼ばれ、身体中のコレステロールを集めて肝臓に戻す働きがあり、
 動脈硬化や冠動脈疾患の予防、進展の抑制に非常に重要です(図2)。

 HDLコレステロール
 HDLコレステロールは、中性脂肪が高値の場合に減少しやすくなります。その他、運動不足や喫煙などの生活習慣が
 原因で低下することがわかっています。
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     中性脂肪 (トリグリセライド)
 正常値:150 mg/dl 未満

 中性脂肪は、LDLコレステロールほどではないものの、高値が継続すると冠動脈疾患のリスクが増えることが
 知られています(図3)。

 その背景には、中性脂肪が増えすぎると善玉コレステロールであるHDLコレステロールが減少することが大きく関わって
 いると考えられています。
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 中性脂肪と冠動脈疾患
(図3)中性脂肪値が高いと、冠動脈疾患のリスクが上昇します。


  中性脂肪は、食べ過ぎ・飲み過ぎ・運動不足で上昇します。特に、肥満や炭水化物(糖質)の摂り過ぎで上がり
 やすく、生活習慣の改善が重要です。

 ▣ 生活習慣改善のポイントについては>>こちらをご覧ください

 また、中性脂肪値が500mg/dlを越えるような著明高値になる場合は、急性膵炎のリスクが高まりますので、注意が
 必要です。





参考資料 : 
動脈硬化性疾患予防ガイドライン 2007年版 (日本動脈硬化学会)
特定保健用食品 データブック [監修] 独立行政法人 国立健康栄養研究所






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